DUCATI DIAVEL 1260S ツーリングインプレッション

DUCATI Saitama

DUCATI DIAVEL 1260S ツーリングインプレッション

DUCATIさいたまの豊田です。DUCATIのラインナップの中でも独自の世界観とポジションを構築しているDIAVELシリーズ。

今回は、今年デビューから初となるモデルチェンジを果たし、より洗礼されたデザインに生まれ変わったNEWモデル DIAVEL 1260Sでツーリングに行ってまいりました。群馬、軽井沢方面を約480km走行しましたので、皆様にDIAVEL 1260Sの乗り味、感想をお伝えさせていただきます。

1262cc、159psのパワーを持つテスタストレッタDVT 1262可変バルブエンジンが発するエネルギー感と、非日常の体験を予感させるそのスタイルは、まさしくDIAVELのネーミングに相応しい迫力です。

しかし、乗り出す前の若干の緊張も束の間。一度シートに着座すれば、780mmのシート高は非常に足つき性が良く、アップライトなポジションなこともあって直ぐにリラックスすることができます。

始動はセル一発です。ブレンボのセミラジアルクラッチマスターは繋がりが分かりやすく、いったん走り出せば大きな特徴である240/45サイズの超ワイドなリアタイヤを意識することのない、良い意味でまったく普通の走行フィーリングとハンドリングです。

X DIAVELやMULTISTRADA1260と共通の可変バルブタイミングエンジンを搭載したことにより、街乗りで使う回転域のアクセルレスポンスと出力特性が非常に扱いやすく感心してしまいます。

そしてやはりDUCATIのNEWモデル、市街地と高速道路を走れば、その斬新なイタリアデザインが街行く人とドライバーの視線を多く集めます。

高速道路では、大排気量ツインエンジンの恩恵を存分に感じることができる大パワー、大トルクを発揮し、デスモドロミックエンジンの確かな脈動を感じながら余裕のクルージングができます。

そして高速クルージング中に最も感動を覚えた点は、オートクルーズ機能です。

スイッチBOX右側のボタンを操作し任意の速度に設定すれば、緩い登り坂や下り坂に差し掛かかってもバイクがスロットル開度を自動調整することにより失速や速度が出過ぎることもありません。

ボタン操作自体もシンプルで非常に簡単ですが、ライダーがスロットルを開け続ける必要がないため(基本的にアクセルは全閉のまま走行します)身体全体がリラックスでき疲労感が驚くほど軽減されます。私はバイク歴20年、様々なモデルで100万㎞以上走ってきましたが、右手を休めながら淡々と高速走行できる事実に、いまさらながら新鮮さと感動を覚えました。一度この機能を知ってしまうと、あまりの快適さにすぐに使ってしまうようになってしまいました。

高速道路ではクルーズコントロール機能により高速巡航ミサイルと化したDIAVELでしたが、メーターに表示された平均燃費は19.3km/Lをマーク

この手のハイパフォーマンスモデルとしては充分な燃費性能だと思います。

メーターにはガソリンの残量が一目で把握できる燃料インジケーターもしっかりと装備。さらに、ギアポジション、平均燃費、瞬間燃費、航続可能距離までもリアルタイムで確認することができ、非常に使い勝手が良いです。

高速道路を降りて昼食にします。 落ち着いた雰囲気の小道を登ると趣きのある店構えで「そば処 田舎や 」様が見えてきました。ここで昼食をいただきました。古民家風の店内と注文を受けてからつくるおそばはコシが強く美味しい二八そば。サクサクの衣を纏った天ぷらと心もお腹も大満足。田舎や 様を出発しワインディングロードへと向かいます。

妙義のワインディングは、いわゆる日本的な狭く、次々とコーナーが迫るジムカーナを思わせるような道です。リーターバイクにはフラストレーションが溜まりそうな場面ですが、DIAVEL 1260Sの前後オーリンズサスペンションはフルアジャスタブルタイプなので即座にフロントフォークとリアサスの伸び減衰を抜いてマシンの動きを軽くしました。

これによりコーナリング時に感じる体感的な重さをミドルバイク並にすることができ、リアサスもよく動くことでトラクションを明確に伝えてきます。さらに乗り心地まで向上するのでいい事尽くめです。

走行中のワインディングにサスセッティングを合わせてしまえば、DIAVEL 1260Sは完全にコーナリングマシンになります。レスポンスの素晴らしいツインエンジン、ドゥカティらしい分厚いトルク感、トレリスパイプフレームならではのトラクションを分かりやすく伝えてくる車体、高性能なブレーキシステムと、コーナリングを楽しめる要素が揃った本当に面白いマシンだと断言できます。

軽やかなハンドリングとなったDIAVEL 1260Sでコーナリングを楽しみながら妙義山のヒルクライムを駆け上がると展望の良い妙義公園に到着です。

妙義公園から歩いてすぐの中之嶽神社にも寄り、鎖場もある岩場も登って展望を楽しみました。

バイク用装備で登山をして熱中症になりかけましたので、軽井沢方面に涼を求めてマシンにムチを入れます。DIAVEL 1260Sのクルーザー的なポジションは、疲れた身体にも優しくとても快適で助かります。

途中で雰囲気の良さそうな神社などに立ち寄ったりします。DIAVEL 1260Sはどこに佇ませてもカッコイイです。

その気になればスポーツバイクを追い掛け回すことできる恐るべき動力性能をもつDIAVEL 1260Sですが、このような森の一本道を走る素敵な場面も、クルーザー的なポジションからリラックスしてゆっくり走ることができるため、その瞬間を心から楽しむことができます。

DIAVEL1260Sの非常に面白いところはシチュエーションごとに最適なキャラクターになることです。

ワインディングでライディングをするときはハングオフスタイルも許容する高性能スポーツバイクに、高速道路や写真のような気持のいい道を走っている時はクルーザーのように快適に、街中を走るときはコンセプトバイクのような先進のイタリアンデザインが極めて高いファッション性を発揮し注目を集めます。

その極めて高い汎用性は、何台ものバイクを乗り継いだベテランライダーの方でもきっと満足していただけるハイレベルな次元にあります。

軽井沢駅から20分ほど走った場所にある白糸の滝を訪れました。山の斜面に囲まれた小さな円弧型の滝がある落ち着いた自然スポットです。豪快というよりは日本のわびさびを思わせるような涼しげな雰囲気の滝です。

軽井沢を走っているとお洒落なお店が多く、つい寄り道をしたくなります。車だと走行中に気になるお店があっても、まず駐車場があるのか?が脳裏をよぎり、Uターンも億劫になりがちになりそのまま通過してしまうことが多いですが、バイクだとそのような心配が少ないことは皆様のご承知のとおりです。その点についてDIAVEL 1260Sはハンドル切れ角もかなり確保され、1300cc近くの排気量がありながらドライウェイトは218kgと他メーカーの同カテゴリーのモデルと比較するとかなり軽く、見た目によらずUターンも意外と簡単で寄り道もたくさんする気にさせられる自由な感覚を確実に持っています。

信濃川水系と利根川水系とを分ける中央分水嶺であり、古来から交通の難所であった碓氷峠を走ります。アプト式鉄道実現ために架けられ、後に日本初の重要文化財に指定された碓氷第三橋梁(通称:めがね橋)で有名なこの峠もまた、延々と続くコーナーを楽しめます。

DEAVEL 1260Sで休む間もなく次々と現れるコーナーをクリアしていると、無心にライディングに集中していきます。走りながら思うことは、DIAVEL 1260SはDUCATIならではの素晴らしいコーナリング性能を紛れもなく継承しています。

アップライトな位置にあるハンドル、低いシート、ロー&ワイドなフォルム、極太のリアタイヤ等、一見クルーザー的に見えるデザインですが、搭載するボッシュ製6軸IMU(高性能慣性センサー)と連携したトラクションコントロールやクイックシフター、ウィリーコントロールといったスポーツ走行を楽しむための最先端電子デバイスが装備されていることは決して伊達ではなく、DEAVEL 1260Sが潜在的に非常に高いコーナリング性能とスポーツ性能を持っていることを物語っています。

DUCATIはDIAVEL1260をハイパフォーマンスクルーザーとスポーツネイキッドの中間に位置するモデルとアナウンスしており、スポーツ性能の点でみれば初代DEAVELよりもさらにスポーツネイキッドよりの性格のモデルになっています。

一度でも乗ってみれば見た目からは想像もつかない異次元のライディングを楽しむことができ、私は一日中ほぼハングオフスタイルでコーナリングを楽しみました。素晴らしいグリップ力を発揮し、デザイン上においても重要な240/45サイズという迫力あるリアタイヤにもかかわらず、フルバンクさせても操縦性に癖をほとんど感じず、さすがだなと思います。

ワインディングを楽しんだ後は群馬県の四万温泉に立ち寄りました。

街並みはレトロで情緒を感じさせる雰囲気です。元禄4年に建てられ、現存する日本最古の木造湯宿建築として群馬県の重要文化財になっている積善館 本館の前で休憩し、時間が停まっているかのような雰囲気を楽しみます。

帰路は外灯のほとんどない山中でしたが、搭載しているフルLEDヘッドライトは白い閃光と例えていいほど非常に明るく照射範囲も充分です。夜道もかなりのハイペースで走れたことを付け加えておきます。

ユニークで独特のスタイルと個性が際立つDIAVEL 1260S 。一日中様々なシチュエーションでツーリングをすることで、短時間の試乗では見えてこなかったハイレベルなパフォーマンスの数々を体験することができました。

約480kmのツーリングは、快適なポジションとクルーズコントロール機能やUP/DOWN対応のクイックシフターのお陰で疲労感は圧倒的に軽減されました。日帰り1000kmツーリングも問題なくできる総合性能です。加えて、高い俊敏性をもつコーナリング性能とトラクションを叩きつける走りはバイク乗りの熱い情熱を掻き立てるに充分な素晴らしい性能、走行フィーリングを持っています。

この圧倒的な存在感を放つDIAVEL 1260Sは、乗り手の個性を自由に表現するための理想的なパートナーになってくれると同時に、真の高性能を味わう喜びと、バイクで走るという本質的な喜びを必ず与えてくれるモデルです。